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「婿殿は噂どおりの大うつけか。残念だが同盟はこれまでだ」

マムシと恐れられる隣国の将軍がため息をついた。前日挨拶のために訪れたアメストリスの大佐は、軍服をだらしなく着崩し、咥え煙草の部下共とホテルで大騒ぎしていたのだ。

「マスタング大佐がお待ちです」
「ふん、一喝して会見は終わりだ」

苛立たし気に呟いた将軍は部屋に入るなり目を見張った。
そこには、正装に身を整えた凛々しい青年佐官が座っていた。そして、立ち上がり将軍を出迎えた彼は、驚くほど流麗に挨拶の口上を述べたのだった。




会見は上首尾に終わり、夕食の接待までもが待っていた。
将軍は上機嫌でいろいろと話した。とりわけ、その愛娘のことを。

館を出て車に乗る。

「大佐、お疲れさまでした」
「うん。…そういう殊勝な態度、嫌いではないよ」
「…!ちくしょう、いい気になりやがって!なんでオレがお付きの人なんだよ!少尉はどうしたんだよ!」

ロイの口角が上がったのを見て、我慢できなくなったエドの金色の三つ編みが上下に激しく揺れた。

「中尉を連れてくるわけにはいかなかったと言っただろう。…それにしても、なかなかその服、似合っているじゃないか」

軍属であるエドが軍服を着ることはない。少佐相当官であるから着てもよいが、年端もいかぬ少年がそれでは怪しまれるので今回は士官学校の制服を着ている。

「似合ってねえよ!ダブダブじゃねえか」
「ほう。私が士官学校に入学したときに着たものなのだが…」
「うっせえな!それより、とっとと帰ろうぜ」
「今夜こちらでもう一泊だ。悪天候で鉄道が足止めされているらしい」

ブツブツ言いながら一行とともにホテルに戻ったエドはそこで驚愕した。

「何でオレと大佐が一緒の部屋なんだよ!昨日はハボック少尉とブレダ少尉と3人部屋だったのに」
「急遽連泊になったから、3人部屋が空いてなかったんだ。ハボックは煙草臭いしブレダは鼾がひどい。一番マシなのが君だ」
「ていうかこれ…」
「ダブルベッドだな…」

部屋のキーをちゃらちゃら言わせながら、ロイがこともなげに言った。

「まあ…君、小さいから大丈夫だろう」
「ちっさいいうなーーーー!!!」

聞きなれた抗議は気にせず欠伸をして、

「私はシャワーを浴びてくるよ。君もぜひそうしてくれたまえ。同衾する人には必ずお願いしている」
「……!!!」

顔を真っ赤にしたエドをその場に置き去りにしてロイはシャワーを済ませた。タオルを腰に巻いて出ると、エドはまだベッドの上に座っていた。

「へえ…大佐、いい身体してるんだな」
「当然だ。軍人たるもの、日々の鍛錬が重要だ」
「ふーん。ま、オレもなかなかだぜ!!」

どこまでも張り合おうとするエドにロイは苦笑した。
エドがシャワーから出てきたらからかってやろうと思いながらベッドに横になっていると、ふいに自分を待つ人のことが思い出された。
彼女は今日も執務室で自分の残してきた業務を処理しているのだろう。






意外に疲れていたようで、気がつくと明け方になっていた。まどろみの中で金の髪が目に入り、思わず触れるとそれは小生意気な少年国家錬金術師のものだった。口を半開きにして正体もなく眠りこけている。

「無防備なものだな。どうなっても知らんぞ」

戯れに引き締まった背中に指を滑らせる。

「ん…」

エドが身体を捻る。

「ほう…なかなか敏感だな」

この国では、マスコットのような少年を傍に置くことは稀ではない。その意味を、ロイは改めて思い出した。

「さて、郷に入れば郷に従え、ということか…?」

太陽が昇りきるにはまだ間があるようだった。








「お疲れさまでした」
「ああ。留守をありがとう」

見慣れた彼女の敬礼がたまらなく懐かしい。

「交渉はうまくいったよ。もっとも、将軍のご息女の件は謹んでご遠慮してきたがね」

女性の副官など、隣国の慣習では不謹慎極まりないのだと聞き、同行を辞退したのはリザからだった。

「エドワード君は…?」
「アルフォンスを待たせているからと駅で別れたよ。ところで…」

お茶を出すリザの前髪を、ロイが一筋つまんだ。

「な、何を…」
「うん。違うな。……そういえばまだ言ってなかったね」
「はい?」


「ただいま」








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大河ドラマとその特番をまとめて見て、織田信長にはまったとTwitterでつぶやいたら、
変換しろと神の声が…
というわけでまず「vs斉藤道三編」をさくっと書いたところ、続きを所望いただきました。
しかも濃姫派と森蘭丸派が…
そういうわけでロイ上総介様があたかも両刀のごとき状態になっております…
だって戦国大名はみんな両刀だったんですから!!

シリーズ化するかどうかは不明です…





2011.01.16 Sun l 二次創作 l コメント (0) l top
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